取引先の情報はどう調べる?

経理コラム

取引先の情報はどう調べる?

会社にとって与信管理は大事ですが、皆さんの会社ではどの部署が担当しているでしょうか?

結構、会社ごとに違うみたいです。

ただ、経理がまったく関与していない会社は少ないのではないかと思います。

ウチの会社では、
取引の開始  ・・・承認には経理は関与せず(コードは経理で管理)
債権の管理  ・・・資料作成のみ
懸念債権の管理・・・資料作成のみ
貸倒れ処理  ・・・社内稟議の手続きは営業で行い、経理は経理処理のみ
こんな感じで、経理が積極的に関与することはありません。

ただ、決算情報の読み方などは聞かれますし、営業の担当者が一番の責任者ではありますが、入金が遅れているなどの警戒情報を適時に発信するのは経理の役割になっています。情報発信が遅れると経理が悪かった、みたいな空気にもなります。

今回の記事は、取引先の情報の集め方を整理しておこう、という趣旨です。
意外な切り口で危ない会社を見抜く!みたいな凄いネタはありません。

調べ方

通常の調べ方
・公式HPを熟読する
・公式ツイッターをチェックする
・会社名をググる
・日経テレコンのレポート
 ✓評点や業績推移を確認する
 ✓経営者をググる
 ✓株主をググる
 ✓住所をググる
・gBizINFO(ジービズインフォ)
 ✓政府との取引を調べる(あれば信用度アップ)

上場していれば、時価総額推移や有報を見ておきます。
問題があれば信用調査会社の調査報告書でチェックしましょう。

日経テレコン(有料)

日経テレコン
契約している会社は多いでしょう。
こちらのサイトで、複数の調査会社の評点や格付けをまとめてチェックできます。
私は、まずは帝国バンクか、東京商工リサーチのレポートを確認しています。

信用調査報告書(有料)

特に問題や懸念があれば、信用調査会社の信用調査報告書で確認しましょう。
ウチの会社では帝国データバンクを利用しています。

法人番号(無料)

法人番号をキーにした公開情報としては、経産省のgBizINFOがありますが、参考になることはあまりないかもしれません。日経テレコンでレポートが入手できれば十分です。

ただ、取引先情報に法人番号を登録しておいて、データ連携させ、基本3情報である名称や住所の自動更新などの活用はできそうです。

国税庁法人番号公表サイト
国税庁長官が法人番号を指定し(決めて)、基本3情報がこちらのサイトで公表されます。
基本3情報 ⇒ 名称(フリガナも)、所在地、法人番号
データダウンロード可、API機能あり

gBizINFO(ジービズインフォ)
経産省のサイト。
「法人活動を支援できる社会基盤へ発展することが期待されています。」とのことです。
府省との契約情報、表彰情報等の政府が保有し公開している法人活動情報を一括検索、閲覧できます。国税庁の基本3情報も含まれますので、こちらを確認すれば国税庁のサイトは見なくてもOK。しかし、非上場のところについてはまだまだスカスカですね。今後に期待。
データダウンロード可、API機能あり

法人番号で名寄せした有料情報は、
Beegle
東京商工リサーチ
などがあるようです。

サイバー法人台帳ROBINS終了(法人番号)

サイバー法人台帳ROBINSは終了したんですね🙄
志は高かったものの・・・

決算公告を官報で調べる(無料)

日経テレコンでレポートが入手できれば十分ですが、レポートの更新の間隔が空いている場合、官報で最新の決算数値が確認できます

ただし、決算公告については、無料で確認できるのは直近30日だけです。有料サービスの会員になれば過去分も閲覧できます。

先日、ちょっと不安な取引先があり、官報で決算公告をタイムリーにチェックしようと思い、決算期以降、数か月見ていましたが見当たりませんでした。気になって休日に図書館で前期も調べたら、前期も見当たりません。
決算公告は官報のほかにも新聞や電子公告でも行えますが、いろいろと不安な会社なので、たぶん、決算公告を怠っている気がします。必ず見つかるわけではないようです。

官報や官報販売所とは関係のない、勝手検索サイトも参考になります。
官報決算データベース
官報決算データベース

法政大学が決算公告の調べ方をまとめています。

不動産担保(有料)

通常は日経テレコンで確認、不安があるところは信用調査会社の信用調査報告書、そして、いよいよ、回収懸念先については個別の対策になります。

その一つとして、信用調査報告書にも記載されていますが、自分で最新の不動産担保情報を確認しておいた方が良い場合もあります。

不動産担保は登記情報提供サービスで調べます。

ウチの会社では、不動産を管理する部門があって、そちらで有料会員におり、必要があれば、ID、パスワードを教えてもらって使っています。(個別情報ごとに料金は発生します)

会社内でその部門が「登記情報提供サービス」の会員になっていることは知られていないので、ちょっとした裏技です😉

ポイント

決算書(赤字・純資産・借入金)

赤字はヤバいです。さらに、純資産が少ない、借入金が多い、なども該当すれば要注意です。

決算書(粉飾の可能性)

決算書はそもそもでたらめかもしれません。非上場ならいくらでも粉飾できます。

ということで、決算書の見栄えがよくても(黒字継続、十分な純資産、コントロール可能な借入金)、完全には信用できません。

以下の決算書は信用しない方がいいです。
・債権が異常に増えている(回収できていない)
・資産の部に異常に増えている科目がある(理由はさまざまですがまずは疑う)
・純資産の部に、資本、剰余金などではないおかしな科目がある
 (本来は債務・引当金となるものを含めていることがたまにあります
 (会計上はだめなはずですが)気になれば経理課に聞いてください)

取引先

聞いたことのある大きな会社が記載されていれば安心です。

大口取引先が厳しい状況の企業・業種だと要注意です。(例:コロナ禍での旅行関連、飲食店など)

経営者・取締役・株主

信用できる相手かどうか、気になるのでしたら、「会社」のほかに、経営者・取締役・株主の「個人」でも検索してみましょう。他に経営に関わっている会社がどんな会社か調べてみましょう。

氏名もそうですが、住所でも検索してみましょう。
同じビルに問題企業が入居していれば関係を疑った方がいいです。
(取締役、株主に同一人物がいないかどうか、など)

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