不正会計:日本M&Aセンター

経理コラム

日本M&Aセンターで不正会計があり、調査報告書が公表されました。

2022.2.14
日本M&Aセンターグループ
調査委員会の調査報告書の受領及び公表に関するお知らせ

こちらを読んだメモになります。

調査委員会による調査

日本M&Aセンターの取締役の調査で発覚

2021.10、日本M&Aセンターの渡部取締役が、樽木管理本部長(18日)、三宅社長(19日)に不正について報告しました。

渡部取締役は、管掌する業種特化事業部において、業界再編部部長より、前倒し計上の持ち掛けがあったのを断りました、との報告(10/8)があり、調査を始めました。すると、提携仲介契約書の写しと社内報告に用いられた最終契約書の写しの印影の照合を行った結果、印影が類似している(=提携仲介契約書の印影をコピーして最終契約書を偽造)案件があったため、報告することになったのです。

ここから、経営陣による調査が始まります。

この経緯をみると、経営陣は不正に関与していなかったようです。

不正の手口
調査の結果、判明した不正の手口は、先に入手している契約書類(提携仲介契約書、秘密保持契約書、基本合意書、意向表明書)の写しなどから、記名(署名)押印部分をコピー・切り貼りするなどの方法で冒用し、最終契約書を偽造する、というものでした。

2021.12.6 三宅社長は、日本M&Aセンター常務会で確認結果について報告しました。

日本M&AセンターHの監査等委員会

ホールディングスの監査等委員会は、2021.12頃、独自の情報取得により、不正の疑義を認識した、とのことです。

日本M&Aセンターでは、12.6で常務会に報告されています。「独自の情報取得」が、「なんか、調べているらしいよ」くらいを耳にした、では無意味です。日本M&Aセンターでの調査と無関係な情報を入手していたのかどうか?

12.10のホールディングスの取締役会で、外部の弁護士を交えての調査が必要と発言し、本格的な調査が開始された。
2021.12.20-22.1.11 予備調査 20日間
2022.1.12-2.14 本調査 1か月間

監査法人トーマツ

ホールディングスの監査等委員会は、12.8に、監査法人トーマツから不正に関する通報があった、と報告を受けたそうです。

この通報も、日本M&Aセンターで調査が始まったから、その流れで通報してしまえ、ということのような気もします。

調査方法

不正の手口が「他の文書から記名押印をコピー・切り貼り」なので、印影、筆跡の目視で確認しました。

補完調査として、リスクの高いM&A取引を、以下の方法で抽出、調査しました。
(抽出)
・売り上げが大きい
・期末日直前の契約締結
・入金サイトが長い
・不正がわかっている担当者の案件
(調査)
・メール等のチェック
・顧客のIR情報

デジタル・フォレンジック調査は、社長を含めた業務執行取締役(8名)について、メール、チャット等の、キーワード検索と目視でチェックしました。
調査は、EYのForensics事業部の18名で実施されました。

社長も調査したのですね。意外とちゃんとやっています。
しかし、8名の調査に18名もいるのかな?
抽出後:Microsoftメール4,204件 チャット1,187件 Shurikenメール715件

わかったこと

・架空案件の計上はない
・経営陣(業務執行取締役)の関与はなかった

経営陣の関与はなく、期ずれだけなので、悪質な不正ではないようです。
とはいえ、記名・押印の偽造なので手口は悪質です。

・こういった不正があると、インセンティブ給与の修正は面倒
・不正へ関与した者が多数(80名)だったため、心理的要因について分析されています

心理的要因
部・個人としての業績達成、特にコミットメントは必達という心理状況が主因(可能性が高い)
逆に、個人的な経済的メリットであるインセンティブ制度はほぼ影響はないらしい
・ストックオプションの影響はない
・部長インセンティブの影響は限定的
・営業担当者インセンティブの影響は限定的

「出来ても放置」はJTCあるあるでやる気がなくなります。
一方、「出来なかったら詰める」は不正の誘因になるようです。
「出来たら褒める(報酬で)」「出来なかったら放置」これが正解!(みたいです)

・通報制度が機能していなかった
 2007年の設置から2021年まで実績なし

うちの会社では、結構、実績があるようなので機能しているといえるようです。
とはいえ、一定数、クレーマーがいるらしいとの噂です。

・売上報告に関する業務フローの再構築
最終契約書の写しのほか、売手買手の当事者(M&Aアドバイザリー業務の顧客)から最終契約書の確認書の提出を求めることを提案しています。
最終契約書の確認書は原本なので、紙+ハンコの確認が大事!とのことです。

この時代、紙とハンコが大事ですよ、というアドバイスはどうなのか?

監査法人

2022.3の監査報告書
トーマツ 中安正会計士、杉原伸太朗会計士

誤字・脱字・気になる表現

会社では、「てにをは」にうるさい、うざい管理職やってます。
ということで、人様の報告書ではありますが、勝手に添削しておきます。
P.9 (4)・・・常務会において公表し、・・・
常務会は会社の合議体なので、「公表」ではなく「報告」がいいと思います。
P.60 (1)・・・「他に迷惑をかけることができないというプロとしての職業意識が、・・・
⇒・・・「他に迷惑をかけることができないというプロとしての職業意識が、・・・

元日本M&Aセンターの従業員を引き抜いて立ち上げたfundbookが炎上している件

今回の不正会計と関係ありませんが、ちょっと目についたのでメモ

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