電帳法改正と消費税インボイス制度【税務通信21.5.24】買手

経理コラム

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電帳法改正でインボイスの電子保存要件が緩和②

税務通信3655【2021.5.24】の記事をメモしておきます。
今回はシリーズ第2回。

火焔土器
火焔土器

内容的には売手のブログ記事をちょいアレンジしたもの。
対になっていてほぼ同じです。

今回の税務通信記事の要旨
インボイスを交付した買手のインボイス保存方法について、インボイス制度では電帳法を引用しているので、電帳法の保存義務を満たせば自動的にインボイス制度の保存義務も満たす。2021年度電帳法改正による要件緩和はインボイス制度でもそのままあてはまる。

ただし、電子インボイスを受領した場合、買手は、電帳法では電子データの保存が必要だが、インボイス制度では電帳法に定める電子データ保存でもいいし、電帳法では認められていない書面保存でもよい、と違いがある点については留意すること。

インボイス制度の電子取引では【電子インボイス】の保存義務があります

2023年10月からインボイス制度開始。

インボイス制度でも電子取引は認められます。
法令検索では、2023年10月施行なので「施行日:令和五年十月一日」とするのを忘れずに!

買手はインボイスの保存義務があります
(仕入れに係る消費税額の控除)
第三十条・・・
 第一項の規定は、事業者が当該課税期間の課税仕入れ等の税額の控除に係る帳簿及び請求書等(請求書等の交付を受けることが困難である場合、特定課税仕入れに係るものである場合その他の政令で定める場合における当該課税仕入れ等の税額については、帳簿)を保存しない場合には、当該保存がない課税仕入れ、特定課税仕入れ又は課税貨物に係る課税仕入れ等の税額については、適用しない。ただし、災害その他やむを得ない事情により、当該保存をすることができなかつたことを当該事業者において証明した場合は、この限りでない。

電子インボイスも保存義務のあるインボイスです
 第七項に規定する請求書等とは、次に掲げる書類及び電磁的記録(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律第二条第三号(定義)に規定する電磁的記録をいう。第二号において同じ。)をいう。
・・・
 事業者に対し課税資産の譲渡等を行う他の事業者が、第五十七条の四第五項の規定により当該課税資産の譲渡等につき当該事業者に交付すべき適格請求書又は適格簡易請求書に代えて提供する電磁的記録

3万円未満でもインボイスの保存義務はあります
現行の区分記載請求書等保存方式では、税込支払対価の額が3万円未満の課税仕入れは、帳簿のみの保存で仕入税額控除が認められていますが、インボイス制度では3万円未満でもインボイスの保存は必須です。

カード会社からの請求明細書

こちらは税務通信の記事にはない個人的に気になっているところのメモです。

消費税では、カード利用について、「事業者からのご利用明細」は請求書等に該当しますが、「カード会社からの請求明細書」は請求書等には該当しないという扱いです。
国税庁 質疑応答事例 カード会社からの請求明細書

悩む経理
悩む経理

3万円未満の場合、クレジットカード(会社貸与)は
「カード会社からの請求明細書」で処理しているけど、

これ、インボイス制度ではだめなのかな?

ルールはルール!

3万円未満の「カード会社からの請求明細書」の取扱いについては、ブログで記事にしています。

買手の保存義務【受領2x保存2⇒4パターン】

電子インボイスを受領した場合

保存方法要件電帳法の取扱い
①電子インボイス電帳法の電子取引制度の要件電子取引制度に該当し電子インボイスで保存の必要
②書面整然とした形式及び
明瞭な状態で出力
電子取引制度に該当し電子インボイスで保存の必要
書面保存は認められない

書面インボイスを受領した場合

保存方法要件電帳法の取扱い
③書面なし対象外
④電子データ電帳法のスキャナ保存制度の要件スキャナ保存制度の対象にできる

電帳法改正でインボイスの電子保存要件が緩和⇒①④

電帳法を引用している①④については、電帳法が改正されたので、当然、保存要件はその改正内容となります。

電帳法の保存要件を満たしている場合、消費税の保存要件は自動的に満たします。
消費税について特に気にする必要はありません。

ややこしいポイント1 電帳法の3本柱

電帳法は、電子帳簿等保存制度、スキャナ保存制度、電子取引制度が3本柱です。

①は、電子取引なので、電帳法の電子取引制度が適用されます。
④は、電子取引ではなく、書面なので電帳法の電子取引制度は適用されません。
書面をスキャン文書にするという意味で、電帳法のスキャナ保存制度を適用できます。

ややこしいポイント2 電帳法では認められていない消費税の取扱い

②は、電子取引なので電帳法の電子取引制度が適用され、電子インボイスで保存しなければなりません。
しかし、消費税では書面保存でもOKです。

電帳法と消費税で取扱いが異なる点については、ブログで解説しています。

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