経理部SharePoint【Power Automate】エクセル連携

オフィス365

『SharePoint・エクセル』は『共同編集』が基本

経理部掲示板は、ユーザーの権限は「読み取り」に設定、閲覧のみ可能とし、PDF資料などを掲示します。複数のユーザーで共同していくような、時には同時に編集していくようなエクセル資料の場合はどうしたらいいでしょうか?

SharePointでは、すべてのユーザーが同時に作業することができます(共同編集)。
メールでエクセルを集めるような方法で集計作業をしているなら、その方法はやめて、SharePointのサブサイトにドキュメント ライブラリを作成、ユーザーのアクセス権限を共同編集にして、エクセルを保存し、みんなで作業していく方法にしましょう(期限が過ぎたらチェックアウトで編集不可にするなど運用は考えてください)。

みんなで行う『SharePoint・エクセル更新』は『共同編集』が基本です。

各事業部の『入力シート』と、関数で自動集計した『集計表シート』を一つのエクセルファイルにして、『共同編集』で各事業部が入力してそのまま出来上がりの表になるようにすれば、集計作業をなくすことができます。

非公開マル秘数字の『SharePoint・エクセル集計』は『Power Automate』を使おう!

みんなで編集して集計する作業は、SharePoint・エクセル・共同編集が基本ですが、すべての数字・内容がみんなにわかってしまうことになります。みんなにわかるとまずい、非公開にしておきたい情報の集計作業はどうしたらいいでしょうか?

例えば、事業部ごとの業績予想数値(月ごとの実績+予想)を、専用システムではなく、エクセルで入力・集計するとします。決算自体は専用システムを利用していると思いますが、予想はエクセルを利用しているところも多いと思います。

集計した営業利益に、決算仕訳を加えて単体決算になり、子会社業績、連結仕訳を加えて連結決算になります。事業部利益の合計は決算情報に近いので、コンプライアンスの観点から経理部以外は把握できないようにしたいとすると、事業部ごとに入力用エクセルファイルをSharePointに置いて、各事業部がお互いの業績予想がみえないようにして、これらを経理部の集計エクセルファイルに自動集計させる、という仕組みを作ります。

業績予想の科目のうち、減価償却費予想、退職給付費用予想などは経理部から通知しています。

・月次締め
・各事業部エクセルの実績数字の自動更新
・経理部で減価償却費や退職給付費用などの予想を作成⇒各事業部エクセル自動更新
・各事業部で予想業績入力
・経理部エクセルに自動集計

といったイメージです。

今回は、『経理部で減価償却費予想作成⇒各事業部の業績予想エクセル自動更新』の仕組みを『Power Automate』で作成していきます。イメージとしては、一つのエクセルファイルにあるテーブル・データを、複数のエクセルに書き込む、となります。

減価償却費予想エクセルから各事業部エクセルへのデータ連携

経理部では、固定資産システムから、現時点計上分の固定資産の減価償却費予想を出力し、新規取得の償却費予想と除籍予定を加えて、減価償却費予想をエクセルで作成します。

減価償却費予想のエクセルから、「Power Automate」で各事業部の複数の業績予想エクセルを更新します。

経理部用「ドキュメント ライブラリ・業績管理 経理部」の「業績管理エクセル」から、A事業部用「ドキュメント ライブラリ・業績管理 A事業部」の「業績予想エクセル」にデータ連携する仕組みを説明します。

エクセルの表はテーブルにする

「Power Automate」からのエクセル操作はテーブルが基本です。表にテーブルを設定しましょう(ここではテーブル設定は説明しません)。

経理部の「業績管理エクセル」テーブル名は「減価償却費」

A事業部の「業績予想エクセル」テーブル名は「業績予想」

IDの行は本来は不要ですが、行を指定するときに「月」列の「減価償却費」としてもうまくいかなかったので追加しています。(日本語に対応していない?「ID」列の数字で指定したらうまくいきました)

業績管理ページを作る

事業部ごとに「ドキュメント ライブラリ・業績管理」を作り、それら複数の「ドキュメント ライブラリ」を一つのページ「業績管理」に一覧で表示させます。各事業部は経理部掲示板、「業績管理」ページ、自分の「ドキュメント ライブラリ・業績管理」にアクセスし、「業績予想」エクセルを更新します。

各事業部の「ドキュメント ライブラリ・業績管理」の作成

「ドキュメント ライブラリ」の作り方
(アクセス権限を事業部の担当者と経理部の担当者に限定します)

経理部SharePoint ③サブサイト「ドキュメント ライブラリ」

「業績管理」ページの作成

「ドキュメント ライブラリ」を作成する際のドロップダウンリストから「ページ」を選びます

ページのタイプは、シンプルな空白を選びます(編集すればどれも同じになります)。
「ページに名前を付ける」には「業績管理」と入力し、編集ボタンをクリックします。

タイトルのレイアウトはシンプルな「プレーン」を選びます。

「3段組み」にして、事業部ごとに「クイックリンク」を作成し、事業部ごとに作成した「ドキュメント ライブラリ・業績管理」へのリンクとします。画像を付けると分かりやすいです(コメントのオンとオフも選べます)。
経理部SharePoint ②メインのサイト

出来上がり!

Power Automateでフローを作りトリガーを設定する

オフィス365の「Power Automate」でフローを作成していきます。
オフィス365にログインして「Power Automate」をクリックします。
オフィス365にログインする

「Power Automate」は「マイフロー」で作成し、完成したら「共有フロー」にして他のメンバーも管理者にしましょう。
「マイフロー」を作成します。

とりあえず、「インスタント―一から作成」から作ります。

「フロー名」を入力します(ここでは「エクセル連携1」)。

トリガーする方法とは、作成したフローを起動する条件ですが、業績管理エクセルを更新したらスムーズにデータ連携できるように、「選択したファイルの場合」を選びます。

作成をクリックします。

選択したファイルの場合

アドレス、ライブラリを指定し、「新しいステップ」をクリックします。

SharePoint・エクセルからテーブル・データを取り出す

経理部用「ドキュメント ライブラリ・業績管理 経理部」の「業績管理エクセル」の「減価償却費テーブル」から減価償却費予想の数値を取り出します。

アクションはエクセル(Excel Online)を選択します。

表内に存在する行を一覧表示

「表内に存在する行を一覧表示」を選びます。
これでテーブルデータを取得できます。

アドレス、ドキュメント ライブラリ、ファイル、テーブルを選択し、「新しいステップ」をクリックします。

SharePoint・エクセル・テーブルにデータを書き込む

Apply to each

テーブルの行ごとに繰り返す操作内容を作成するため、「コントロール」の「Apply to each」を使用します。「コントロール」を選択します。

「コントロール」の「Apply to each」を選択します。

「Apply to each」の「value」を選択します。

スイッチ

行ごとに行う操作内容を設定します。「コントロール」の「スイッチ」を選択します。

更新の条件を指定します。
「スイッチ」で指定した「減価償却費」列の値が、「ケース」で入力した”A事業部”と等しいことを条件とします。「ケース」は”B事業部”、”C事業部”と増やします(ここでは省略)。

更新の内容を指定します。
エクセルの「行の更新」を選択します。

「行の更新」で更新するエクセルの表のセルを行(「キー列」と「キー値」)と列(ここでは”1″,”2″・・・”12″=業績管理【A】.xlsxの”月”列)により指定します。

全体の構成
「選択したファイルの場合」⇒フローのトリガーを指定
「表内に存在する行を一覧表示」⇒更新元のエクセル・テーブルを指定
「Apply to each」
⇒更新元のテーブルの行ごとに処理
 更新先のテーブルと更新処理を「スイッチ」と「ケース」で指定

フローの実行

「業績管理 経理部」ドキュメント ライブラリにアクセスします。

参考
各事業部の場合は、下のメニュー「業績管理」をクリックして「業績管理」のページにアクセスする流れです。

「3つの点⇒自動化⇒エクセル連携1」をクリックして実行します。

A事業部「業績予想エクセル」の減価償却費が更新されているのを確認してください。
これで、SharePointエクセルのデータ連携ができました!

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